ムーンライトマイルのここ最近

 ビッグコミックスペリオールでMOONLIGHTMILEを読んだんで、ついでに感想を書いとく。

 月で人間の暮らせる都市環境が完成したくらいの近未来で、主人公がゴローさんから二代目・アユムくんにバトンタッチしてしばらく経った。アユムくんは月で生まれた子供・ムーンチャイルドなので、1/6G環境対応でしか身体が出来ていない=地球に降りたらまず死ぬ、という。∀ガンダムみたいにナノマシン使えば適応可能なんてこたないので、リアルスペランカーとして生きる日々が過酷なのはこれまでの展開からまあ予想していた。

 ズバリ。今週号では同じムーンチャイルドの友達が、ナメた口を聞いた地球育ちにケリをブッコんだところスネから骨がポッキリ折れてしまった。

 我が事のようにがっくし。(最近少年少女のガッカリ姿に強烈な庇護欲? を感じてしまう)(年を取ったと感じるなあ)

 それにしてもアユムくんは小学生である。地球からの留学生たちも同様だ。が、このファッキン留学生どもときたら、慣れない土地での心細さから他人を傷つけるとかその辺の機微を差し引いても、

「ここでは月で働く以外将来の道がない哀れな連中もいたっけ……」
「まあ、せいぜい頑張って働けよ!! この月で一生汗水たらしてな!! 一度も行った事のない地球のために!! ヒャハハハハ!!」

 とかいいやがるから可愛げがねえったらな。知る限り人を怒らせる最高の天才、ジョン・マクレーン警部(CV:野沢那智)にすら匹敵する罵声の才能を感じさせる。しかしまあ、小学生のうちから育む才能としてはいささか順位の低い才能であろう。であろうよ?

 地球にムーンチャイルドが降りてくることは当分ないだろうから、しばらくずっと月での生活が描かれていくことになるんだろうけど、月にいる限りムーンチャイルドってのはケンカしないかぎりまあ区別つかない。区別つかないはずなのに、明らかな差別を受けている。

 見た目とか人種に関係なく、社会的に劣位の状態に留めおかれるというのはなんとも歯がゆい。

 昨日「アドルフに告ぐ」読んだのもあって、「ユダヤ人みたいな状況なのだろうか?」と連想。自分がキバヤシだったなら「ムーンチャイルドはユダヤ人を示している! この漫画はイスラエルとの付き合い方を考えるために我々日本人の喉元に突きつけられた鋭利なナイフだ!」とか言ってもおかしくないくらい突飛な連想だ。

 閑話休題

 ムーンチャイルドがハンター×ハンターの幻影旅団みたいな集団に育ってくのか、地球に無理やり降りようとして白塗りのページに一言「海が、」とかで終わる悲劇の展開になるのか。はたまた普通にナイスなおっちゃんたちになるのか。むう、気になって仕方ない。