風邪をナメてた

 頭痛というものがどれほど痛いものであるか、とんと御無沙汰だった私だが、この一週間集中して頭痛を味わったおかげで初心を思い出すことができた。できましたよ。できまするよ。

 頭痛を表す語彙がやたらと自分の中から洪水のようにあふれて止まらないという感覚は、ある意味では素晴らしいあの「知恵熱」という現象を思い起こさせるわけだけど、それにしたっていてえええ!

 頭が痛すぎて肩がこる、という肉体の反応を知り、ある意味では岸辺露伴言うところのリアリティある風邪が描けるようになったのかもしれないね。知らずに済めばよかったものを……っ。

 小学校三年以来のひどい頭痛なので、なんか失われた昔の記憶をたどるような錯覚さえあった。あとは伝記物よろしく怪異が襲ってくれば完璧だ。


 ゴールドカプセルを飲んで寝る。