ムダヅモ無きジュンイチロー
仕事帰りに携帯が鳴いた。だから本屋で友人を待った。
大和田秀樹の最高傑作との呼び声も高い、
- 作者: 大和田秀樹
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2008/09/05
- メディア: コミック
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どういうわけだか近隣の本屋はほぼ壊滅状態だったらしい。今日発売の新刊スペース、うずたかく平積みされた本の中に、スコンと抜けてるスペースがある。つまり……どういうわけだか……ここらに住む人はことごとく、ジュンイティロー(英語風)の活躍が見たくて仕方がなかった、ということか。まあ近代麻雀史上屈指の売り上げになるだろうことは間違いない。
作中に出てくる麻生太郎はゴルゴのようにカッコええ。太郎・麻生の宣伝効果を見越して福田元首相はこの時期に退陣したのかもしれん。そしてもし小泉元首相が返り咲こうとしてきたのなら、きっとこの漫画のせいだと思う。
ダブルクロスだーいすき!
十面体のサイコロを十も二十も購入し、エフェクトという言葉にピクッと反応する人は、一体どんな経験をしてきたのだろうか。とあるメガネの男は言ったという。「そりゃあダブルクロスで遊んでる人だな」
裏切り者(ダブルクロス)で遊んでいる?
そんな風に、言葉の表層の意味に囚われてしまった方がいたらすまない。周知という形容を当てるには、趣味の世界は広大すぎる。公式サイトをチラ見してからでもページをスクロールするのは遅くない。http://www.fear.co.jp/dbx2nd/index.htm
他所様に勧めておきながら、世界観のページとかかなり前に開いたっきりだからうろ覚えだという事に気づいた。いやあのね、えーと、とんでもねえウイルスに感染しちまったので、人間は皆次の種になっちまったようなもんだけど、いきなりご破算で新世界という訳にもいかん。発症の具合でまったく違う能力の超人になっちゃうし、とにかく日常を大事にしていこう――。私的な理解レベルはこんな感じ。
新しい人類とこれまでの人類(一般社会)という世界観は、個人的に大変楽しく読んでいたオメガトライブが実にしっくりくる。オメガトライブワールドでは限界に到達していたホモサピエンスは、種の終着にして新しい種であるアルファ=オメガとして世界の裏側で権力闘争を行っている。まあダブルクロスの世界では、人類はみんな別の種にかわっちまったみたいだから根本はまったく異なる。でもイメージはアレが一番しやすいんじゃなかろか。
このTRPGの素敵なところは、なんといっても能力のバリエーションが豊富で、ほとんどあらゆる超人を再現できるところだろう。ちょっと世界観を変えて、例えば能力の源泉は超科学だ、とかオカルトの力だ、とかいってもまったく違和感無しに魔法使いから勇者ロボまで構築できる。あまつさえスーパーサラリーマンまで造形できるんだから。……まあ、エリア51とかに通りすがるサラリーマンとか、企業戦士と書いてビジネスコマンドーと読ませるサラリーマンとか、正しく『スーパー』の形容に恥じない奴らになっちゃうが。
本としては確かに高い。4000円を本に支払う経験は、本好きというマイノリティでなければそうそう行わない行為だと理解している。
試しにその辺に歩いている人に片っ端からこう声をかけたとしよう。「五千円渡します。ただし、使い道を三つ上げてください」――。
まあ、百人に声を掛けて、やっと一人。もしかしたら二人。そんなとこだろう、4000円の本を買う奴ってのは。……ひょっとしたら今のご時世、もうちょっとイロをつけて考えてもいいかもしれんがさ。とにかくなかなか買わないもんでしょう。
しかし、この趣味に――TRPGに耽溺している人間の一人として言わせてもらえば、まったくリーズナブルな価格であった。
趣味というのはどーしても、「やらなきゃわからん」ところがあるもんだ。やらんでもパッとイメージ沸く趣味なんて、スキューバダイビングとかあの辺くらいではなかろうか? 俺なんぞは趣味について、何が面白いか問われるたびに回答が変わるくらいイメージを伝えるのに四苦八苦してる。
TRPGはとくに「やらなきゃわからん」レベルが高いと思う。
自分の事例だと、いきなり身銭を切って、いきなりゲームマスターをして、それで面白さを知った。これは友人の喩えを借りるならば、「日雇いのバイト代土日分でスーツを買い、そのままホストデビュー」並に極端な入り方だという。「いや、それには絶対負けると思う」……この喩えをされたときにした突っ込みだ。
この「やらなきゃわからん」世界に足を突っ込もうかどうか迷っている人がいるのなら、(1/10000)しかもこんなブログに行き当たっちまったというのなら、(1/1000000000)それはめぐり合わせとしか言えまい。その場合、とにかくダブルクロスを買う事をお勧めしよう。
そしてお勧めした口も渇く前になんなんだが、来年の今頃に新しく版上げされるんで、そっちを買った方が良いのかも知れん。いや、マジすまん。待てねえ! という時には是非に。
他にもカオスフレアSCとかトーキョーN◎VAとか色々あるんだが、その辺もまた巡り合わせに期待しよう。
ムーンライトマイルのここ最近
ビッグコミックスペリオールでMOONLIGHTMILEを読んだんで、ついでに感想を書いとく。
月で人間の暮らせる都市環境が完成したくらいの近未来で、主人公がゴローさんから二代目・アユムくんにバトンタッチしてしばらく経った。アユムくんは月で生まれた子供・ムーンチャイルドなので、1/6G環境対応でしか身体が出来ていない=地球に降りたらまず死ぬ、という。∀ガンダムみたいにナノマシン使えば適応可能なんてこたないので、リアルスペランカーとして生きる日々が過酷なのはこれまでの展開からまあ予想していた。
ズバリ。今週号では同じムーンチャイルドの友達が、ナメた口を聞いた地球育ちにケリをブッコんだところスネから骨がポッキリ折れてしまった。
我が事のようにがっくし。(最近少年少女のガッカリ姿に強烈な庇護欲? を感じてしまう)(年を取ったと感じるなあ)
それにしてもアユムくんは小学生である。地球からの留学生たちも同様だ。が、このファッキン留学生どもときたら、慣れない土地での心細さから他人を傷つけるとかその辺の機微を差し引いても、
「ここでは月で働く以外将来の道がない哀れな連中もいたっけ……」
「まあ、せいぜい頑張って働けよ!! この月で一生汗水たらしてな!! 一度も行った事のない地球のために!! ヒャハハハハ!!」
とかいいやがるから可愛げがねえったらな。知る限り人を怒らせる最高の天才、ジョン・マクレーン警部(CV:野沢那智)にすら匹敵する罵声の才能を感じさせる。しかしまあ、小学生のうちから育む才能としてはいささか順位の低い才能であろう。であろうよ?
地球にムーンチャイルドが降りてくることは当分ないだろうから、しばらくずっと月での生活が描かれていくことになるんだろうけど、月にいる限りムーンチャイルドってのはケンカしないかぎりまあ区別つかない。区別つかないはずなのに、明らかな差別を受けている。
見た目とか人種に関係なく、社会的に劣位の状態に留めおかれるというのはなんとも歯がゆい。
昨日「アドルフに告ぐ」読んだのもあって、「ユダヤ人みたいな状況なのだろうか?」と連想。自分がキバヤシだったなら「ムーンチャイルドはユダヤ人を示している! この漫画はイスラエルとの付き合い方を考えるために我々日本人の喉元に突きつけられた鋭利なナイフだ!」とか言ってもおかしくないくらい突飛な連想だ。
閑話休題。
ムーンチャイルドがハンター×ハンターの幻影旅団みたいな集団に育ってくのか、地球に無理やり降りようとして白塗りのページに一言「海が、」とかで終わる悲劇の展開になるのか。はたまた普通にナイスなおっちゃんたちになるのか。むう、気になって仕方ない。
なんかものすっげえ寂しい
普段使ってるパソコンの調子がいたく悪いので、オールドマシンを引っぱたいてネットにつなぐ。
で、二十日ぶりくらいに更新しているという訳なのだが。なのだがよ。
ちょっと視線を左に寄せると、そこには……、そこには、なんというか自身の記憶というか記録といおうか、ビッグオー的に言うならメモリーと言おうか。
いや、そんなポエミカル(造語)な修飾を省こう。“お気に入り”さ。ただの。ただし、むっかーしの。
初めてパソコンを手に入れてから、もう七年くらいになんのな。
お気に入りってえのに、上から順にページ開いていってもよ。
もうスカスカよ。
みんな404。
……月日、経ったわな。
ずっと見続けてるところも、もう見なくなったところもあるわなあ。
俺ぁあんまり積極的にネット活用するタイプでもねえんで、ネットに繋がないと連絡とれない友人とかはいないんだけど、あの昔からもっと色々やってたら、色々また違った今になっとったんだろうな……なんて思ったよ。
そこまで思ったところで「うわ私ってアレっぽーい」と、かなり冷静な突っ込みがメタ俺から飛んできた。
確かに。アレっぽいなあ。
そして次回このページを見たとき俺は「アレ」にどんな単語を連想するのだろうか。